電車に乗るようなものだという
あたかもレールがあるかのように

 

思い返せば、
私は電車に乗れたのだろうかと思う
みんなが乗った電車に

 

親が乗っていた乗り物から
降りたくなったのはいつからだろう

 

これに乗りなさいと
切符を渡されていたのに

 

私は結局
みんなが乗った電車の後から
途方に暮れて
歩き出したようなものだ

 

途方に暮れていたはずなのに
見てきた景色がかけがえのない彩りとなり
気づけばレールは消えていた

 

頭の上には広がる空と
足元には小さな花と
見渡す限りの草原が
水平線の彼方まで風渡る

 

気づけばここに
この世界に
放り出されたように感じても

 

最初はみんな
行く方向に
つられるように進んだとしても

 

楽そうにみえる
乗り物に
たとえ乗れなかったとしても

 

降り立ったところで
人はいつか
歩かなければならなくなる

 

見えていたレールが消えて
どこへ向かっていいのかわからなくなったとしても

 

自らの足が
全方位へ
わたしをはこんでくれるだろう

 

行きたい方へ
みたいところへ